世界最高のドイツの家とショボい日本の家

日本の家は性能が低い! ドイツは最高! という話をよく耳にするので、どれくらいドイツの住宅が優秀なのか、そしてその優秀な性能を支える理由があるのか調査を始めました。

情報源は基本的にネットになります。おいしいアフィリエイト案件がゴロゴロ転がっていたり、DXと称して自社ECサイトを充実しようみたいな自称コンサルが跋扈する領域なので、信頼性が高そうな情報を見つけるのが一苦労ですが、図書館に行く時間も情熱も無いのでネットで済ませることにします。

目次

ドイツの住宅市場の特徴

面白かったのは、ドイツは新築を建てられる数が決まっているということ。
国内の世帯数とのバランスを取って過剰供給にならないように調整しているそうです。
自治体が中長期的な土地活用を企画しているみたいですね。
その結果、空き家率が極めて低く、中古市場が維持されていると。(https://www.lij.jp/news/research_memo/20171228_2.pdf)

そして住宅業界全体の市場としてはリフォーム・リノベーションがメインで新築は2割程度とのこと。
日本はその逆で、リフォームは2割程度。8割は新築です。
(https://www.lij.jp/news/research_memo/20171228_2.pdf)

ドイツの家の歴史と特徴

ドイツの家は最高! ということで、特徴としてはやはり高性能が挙げられるでしょう。

住宅内の熱のマネジメントについて国全体で注目する座組ができているようで、いろんな補助金もあるらしい。
上で挙げたリフォームについても、断熱改修は低金利、無金利でローンが組めたりするそう。
ではなぜ熱のマネジメントを行うようになったのか、というと、それはドイツという国のエネルギー事情に起因しているようです。(https://www.lij.jp/news/research_memo/20171228_2.pdf)

ロシア-ウクライナ戦争で話題になった通り、ドイツのエネルギー自給率は脆弱です。
2021年では29.0%まで落ち込んでいるらしい。(対して日本は20%を余裕で切っている。もっとやばい。)

ドイツの家で消費されるエネルギーは熱に関わるものの割合が大きい。
1976年の第一次オイルショックを経験したドイツが、エネルギー消費を抑えるために発布したのが、建築物における省エネルギーについて定める法律という法律らしい。

1976年は日本の住宅業界ではストックの住宅数が国内世帯数を超え、ようやく質を求める時代に入る、という段階だったようです。
大手住宅メーカーが辣腕をふるい戦後復興のためのマスハウジングを推し進めてようやくひと段落、といったところでしょうか。住むところが無かった方々に住宅を供給した、偉大な功績ですね。(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jasis/26/0/26_25/_pdf/-char/ja)

そんな状態の日本とは異なり、住宅に被害が出るような戦闘は起こらなかったドイツでは既に、二重窓や断熱材についての決まりが市場まで下りてきて、いよいよ住宅の高性能化が始まっていったわけですね。

ドイツの家についての調査 第一弾のまとめ

ドイツの住宅施策は、あくまでも私がリーチできる情報においては、決してヒートショックとか、健康寿命とかいう要素がドライブしたという記述はありませんでした。

ヒートショックの死亡数は、調べると「浴室内での死亡数」という数字がよく出てきます。
日本が圧倒的に高いわけですが、湯舟を使うのが日本人だけだからではないのでしょうか?

ちなみに健康寿命というキーワードを検索すると、WHOのデータで男女ともに日本が1位、ドイツは男性が24位で女性が13位でした。

かなりしょぼい家に住んでいるらしい日本人の健康寿命がドイツを凌駕しているということで、つまり健康寿命は住宅性能との強い相関は無いのでは? と仮説立てられるのかなと思います。
寿命を延ばしたければ、断熱材を厚くするより日々の食事に気を付けて適度な運動をしたほうが、劇的な効果を期待できそうですね。

そして、性能の高い家に住んでいるドイツ人の医療費は6,518ドル、対するしょぼい家に住んでいる日本人の医療費は4,691ドルとのことで、高性能な家に住めば医療費が下がる! というのも、首を傾げざるを得ませんね。
もちろん、ドイツと日本の医療水準や制度の違いはありますが、あくまでもここでは医療費にフォーカスしています。(https://medifellow.jp/news/blog/3381#:~:text=%E2%96%A0-,%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84%E5%8C%BB%E7%99%82%E8%B2%BB%E3%81%AF%EF%BC%9F,%E3%83%89%E3%83%AB%E3%81%A715%E4%BD%8D%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82)

なので、あくまでもドイツが最先端とされる高断熱は、健康面のメリットというよりは、エネルギー消費量の削減のために培われた技術のようですね。

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