私の小学校卒業頃の”将来の夢”は建築家でした。
理由としては、父親が建築系の仕事をしていたからというよくあるもの。
建築系の仕事といっても小学生の私の解像度はすこぶる悪く、父親は実際は土木系の監理者で、家は作らないし恐らく図面は引いていないし、ましてやトンカチを持ってトンテンカンしているわけでもないのです。
(しかし、父親は大きな仕事をやっていて、地元のインフラを支える偉大な大人のひとりです)
当時の父親の仕事への誤解は飲み込みつつも、今でも建物を作る仕事は立派で素晴らしい仕事の一つだと思っています。
当時の私は、建築の仕事とはつまり図面を書くのが建築家で、建物を建てるのは大工さんというざっくりとした見方をしていて、父親が建築家サイドの人間だったためにとりあえず憧れてみた、という感覚だったのでしょう。
とは言え大工仕事にも大変興味があり、当時ハマっていたゾイドのプラモデルを並べるための棚を木工で作ってみたり、鳥小屋を作ってみたりと小さな工作はやっていました。
上棟の日に、これまで平面の図面で話していた建物が実際に立体物に立ち上がる様を見て、より解像度高く”これはとんでもない仕事である”と改めて認識をしました。
大工さんたちの体捌きはもちろん、材木屋さんが木材を上げる技術もすごいのでは?
欲しいタイミングで欲しいところにクレーンで柱を上げるさまは、まさにJust In Timeの真骨頂でした。
しかも屋根の野地板を貼るとき、皆さん命綱を結ばないのですね。
ヒョイヒョイと動きながら重量級の柱をバシバシ建てていったあと、屋根に取り掛かるとものの30分で野地板が敷き詰められました。
ITの仕事をしていると、いかに効率よく最小のインプットから最大の成果を生み出すか、みたいなことを考えがちなのですが、直球でモノづくりに向き合う姿はやはりカッコいいです。
上棟の一日
上棟とは、住宅の建築において、柱や梁など建物の基本構造が完成し、家の最上部で屋根を支える“棟木“(むなぎ)と呼ばれる木材を取りつけることを指します。地域によっては、棟上げ(むねあげ)、建前(たてまえ)、建舞(たてまい)などとも呼ばれます。
https://www.homes.co.jp/cont/iezukuri/iezukuri_00475/
私の家の場合は、柱、梁に加えて屋根の野地板までを一日で貼りました。
10:00頃に現場につくと既に一階が終わっていました。
ずっと見ていたい気持ちもありましたが、0歳児を寒空の下に何時間もいさせるわけにもいかないので、現場監督さん、大工さんとご挨拶をして一時撤収。
15:30頃につくと柱、梁は全部終わっていて、あとは野地板を貼るだけという状況。
そして16:00頃になると野地板も貼り終わって、片付けに入っていました。
めちゃくちゃ早いです。すごいマジで!
そして、片付けを含めてその日の作業を完了したら、四方清めというお清めをしました。
建物を担当してくださる大工さんが酒を、現場監督さんが塩を、私が米を持って、北東の方角の隅から時計回りでまわります。
二礼して、米を三回蒔き、一礼、でした。
そのあと、応援で来てくれていた大工さんもみんな集まり、挨拶をしてその日は解散。
怪我無く終われたことが、一番うれしいことでした。
最後に、上棟した建物の中に入れてもらいました。
建物の中
仮の筋交い? が張り巡らされていて、まだ全貌がイメージできない感じでしたが、いよいよ図面が形になってきています。
今後は屋根のルーフィングをやって、壁に筋交いを入れて、と続くので、部屋の形がはっきりとわかるのはもう少し先になりそうです。
仕事の合間を見て、できるだけ現場に通って、大工さんの邪魔にならないように気を付けながら、家が出来上がっていく様を写真に収めていきたいと思います。
コメント